外国人受入と多文化共生社会
日本に在留する外国人の数は、例年増加を続けています。
令和2年6月末現在で、日本の全人口の約2.3%を外国人が占めています。
つまり日本に住む50人に1人が外国人ということになります。
このように外国人が増えると、環境整備などについて考える必要が出てきます。
そのため、「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」というものがあります。
一定の専門性・技能を有する新たな外国人材の受入れ及び我が国で生活する外国人との共生社会の実現に向けた環境整備について、関係行政機関の緊密な連携の下、政府一体となって総合的な検討を行うため、外国人材の受入れ・共生に関して関係閣僚による会議が開催されています。
令和2年度の外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策としては、大きく分けて4つです。
1 外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発活動等
2 外国人材の円滑かつ適正な受入れの促進に向けた取組
3 生活者としての外国人に対する支援
4 新たな在留管理体制の構築
日本における外国人受入れの方針としては、これらの外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を念頭に環境整備や制度設計が行われていきます。
現在の日本における生産年齢人口の減少による労働力不足等を考えると、外国人材の受入れという議論は避けることはできません。外国人材の受入れという部分では、在留資格「特定技能」という新たな在留資格が創設され、労働力不足解消に資するために対策が取られているところです。
しかしながら、在留資格「特定技能」については、手続きの煩雑さ等から想定よりも受入れが進んでいないのが現状です。
既に日本で生活をしている外国人の方々がいる以上、暮らしやすい地域社会づくりも必要になります。
暮らしやすい地域社会を作るためには、まずは行政サービスなどの環境整備が必要になります。行政サービスに関しては、外国人受入環境整備交付金により、地方公共団体の相談窓口の多言語化・やさしい日本語化などの環境整備が進んでいます。
行政の窓口では、出入国在留管理局での在留手続に必要な書類を取得する必要がありますが、日本語がうまく話せないことで、その書類の取得さえも難しいという外国人の方々もいらっしゃいます。
そして、外国人が暮らしやすい社会を実現するとともに、変化する社会に対応した新たな在留管理体制の構築を行うことも必要となります。
日本で生活する外国人のほとんどが、適正な手続を経て日本で適法に生活していますが、一部では不法に日本に滞在している外国人がいるのも事実です。
在留資格に関するオンライン手続きの拡大や在留資格「特定技能」の提出書類の簡素化、留学生の在籍管理の徹底、技能実習制度の更なる適正化などが行われています。
外国人材の受入れに関する国の方針を考えると、外国人の受入れが拡大することが予想されることから、これからは時代の流れとともに多くの変化が起こるかもしれません。
地域により違いはあるかもしれませんが、少なくとも日本人が外国人と関わる機会は増えるでしょう。
そのような時代においては、多文化共生社会の実現は非常に重要な意味を持つのではないかと思います。
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