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在留資格取消の傾向

在留資格取消制度

在留資格取消制度とは、日本に在留する外国人が入管法第22条の4第1項各号に定める取消事由に該当する疑いがある場合に、意見聴取の手続等を経た上で、法定の取消事由に該当することが明らかな場合には、その外国人が有する在留資格を取り消すことができる制度です。

 

平成31年・令和元年の在留資格取消について

出入国在留管理局が公表している「平成31年・令和元年の在留資格取消件数について」という資料によると、平成31年及び令和元年の在留資格取消件数993件となっており、過去最多となっています。

分類別にみてみると特徴を理解することができます。

【在留資格別】

①留学          :427件(43.0%)

②技能実習        :336件(33.8%)

③日本人の配偶者等    : 51件(5.1%)

③技術・人文知識・国際業務: 51件(5.1%)

 

在留資格取消件数について在留資格別でみると、いわゆる「就労」に関連する在留資格で多くなっています。在留資格「留学」については、日本で教育を受けるための在留資格ですが、資格外活動許可を得ることで1週間に28時間以内のアルバイトを行うことができます。この観点からは「留学」も「就労」に関連する在留資格でもあると考えることができます。

また、在留資格ごとの在留資格取消率(在留外国人に占める在留資格取消の割合)をみてみると、「留学」と「技能実習」が平成30年から急増しているのが分かります。これは、在留資格「留学」の審査の厳格化技能実習法の施行などが関連しているものと考えられます。

在留資格取消率(在留資格別)

 

【取消事由適用別】

①第6号:431件(43.3%)

②第5号:377件(37.9%)

③第2号: 91件(9.1%)

 

在留資格の取消事由については、第6号第5号圧倒的に多くなっていますが、その内容についてみてみましょう。

入管法第22条の4第1項では、在留資格を取り消すことができる場合について規定しています。

 

第22条の4第1項第6号

別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を継続して三月(高度専門職の在留資格(別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号に係るものに限る。)をもつて在留する者にあつては、六月)以上行わないで在留していること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)。

 

第22条の4第1項第5号

別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者が、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動を行つておらず、かつ、他の活動を行い又は行おうとして在留していること(正当な理由がある場合を除く。)。

 

第22条の4第1項第2号

前号に掲げるもののほか、偽りその他不正の手段により、上陸許可の証印等(前章第一節若しくは第二節の規定による上陸許可の証印若しくは許可(在留資格の決定を伴うものに限る。)又はこの節の規定による許可をいい、これらが二以上ある場合には直近のものをいうものとする。以下この項において同じ。)を受けたこと。

 

※別表第一の上欄の在留資格とは・・・

外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動

 

上記の法律の規定をもとに在留資格の取消事由の内容についてみてみると、

第22条の4第1項第6号自分の在留資格の活動を3か月以上行っていない場合

第22条の4第1項第5号自分の在留資格の活動を行っておらず、かつ、自分の在留資格ではない在留資格の活動を行っている又は行おうとしている場合

に在留資格を取り消されるということが分かります。

 

在留資格別の取消件数を考慮してみると、在留資格「留学」や在留資格「技能実習」が多く、在留資格取消事由別では第22条の4第6号第22条の4第5号該当するケースが多いことを考えると、在留資格「留学」や在留資格「技能実習」では活動ができない、いわゆる「就労」に関連する活動を行っているのではないかと予想することができます。

 

在留資格取消の統計から分かることは、いわゆる「就労」に関連するケースが多いということです。

例えば、在留資格「留学」で在留している留学生が、学校に行かずにアルバイトだけを行っている場合や学校を卒業したにもかかわらず就職活動等を行わずにアルバイトのみを行っている場合などが考えられます。

外国人を正社員として採用する場合のみならず、パートやアルバイトとして採用する場合においても、こういったことにも注意したいところです。

 

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