技術・人文知識・国際業務ビザと業務量の妥当性
雇用契約書に記載された勤務時間と業務内容は、本当に整合しているか?
✅ 1. 業務量の妥当性とは何か?
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、専門性のある業務に継続的かつ業務量に見合う時間従事することが前提です。
そのため、雇用契約書に「1日8時間・週40時間勤務」と記載されていても、業務内容がそれに見合っていなければ不自然と判断される可能性があります。
✅ 2. 審査で問われる「業務量の妥当性」
在留期間更新許可申請(特に転職時)や在留資格変更許可申請における審査では、雇用契約書に記載された勤務時間や業務内容が、実際の業務量と整合しているかどうかが重要な審査ポイントとなります。
そのため、1日の業務スケジュールや1週間の業務構成表を作成し、業務量の妥当性を裏付ける資料として添付することをお勧めします。
✅ 3. 疑義が生じる典型例
| ケース | 問題点 |
|---|---|
| 「貿易事務」としながら会社の取引件数が少ない | 業務量に疑義が生じる |
| 「飲食店の支店長」としながら店舗数が少ない | 支店長の必要性に疑義が生じる |
| 「経理・総務」としながら所属従業員が少ない | 業務内容・業務量に疑義が生じる |
| 「企画職」としながら業務が月1回の資料作成のみ | 継続性・反復性に乏しく、業務量が不十分と判断される |
| 「翻訳業務」としながら翻訳件数が月数件のみ | 実働時間との整合性に疑義が生じる |
✅ 4. 実務対応のポイント
- 雇用契約書に「勤務時間」「職務内容」「勤務地」「報酬」を明記する
- 職務内容説明書に、業務の具体性・継続性・反復性・業務量の根拠を記載する
- 1日の業務スケジュール(時間帯ごとの業務内容)と1週間の業務構成表(曜日ごとの業務分担)を作成し、勤務時間との整合性を示す
- 業務日報・勤務表・成果物などで、業務量の裏付けを取る
- 業務が少ない場合は、複数業務の組み合わせや業務拡張計画を提示する
✅ 5. 例:1日の業務スケジュール(貿易事務)
| 時間帯 | 業務内容 |
|---|---|
| 9:00〜10:30 | 海外取引先とのメール対応(英語) |
| 10:30〜12:00 | 輸出入書類の作成・確認 |
| 13:00〜15:00 | 通関業者との連絡・調整 |
| 15:00〜17:00 | 社内報告書・資料作成 |






