(第7回)外国人社員の相談対応で、企業がやりがちな“3つの誤解”
第7回:外国人社員の相談対応で、企業がやりがちな“3つの誤解”
対応が難しくなる理由を、構造として整理する。
外国人社員の相談対応は、「丁寧に話を聞く」「相談しやすい雰囲気をつくる」だけではうまくいきません。
むしろ、企業側が無意識に抱えている
“誤解”
が、相談対応を難しくしているケースが多いのです。
第7回では、企業が陥りやすい
3つの誤解
を整理します。
■ 1. 「相談がない=問題がない」という誤解
多くの企業で見られる誤解がこれです。
- 「特に相談は来ていません」
- 「本人は大丈夫と言っています」
- 「問題があれば言ってくるはず」
しかし外国人社員の場合、
相談がない=相談できない状態が進んでいる
と考える方が正確です。
評価への不安、在留資格への影響、日本語での説明の難しさ、迷惑をかけたくない心理──。
これらが重なり、
「言わない方が安全」
という結論に至りやすいのです。
■ 2. 「現場で対応できるはず」という誤解
企業はよくこう考えます。
- 「まずは現場で対応してほしい」
- 「現場が一番状況を知っている」
- 「現場で解決できることが多いはず」
しかし現場は、在留・労務・業務内容が絡む相談を前にすると、次のような状態になります。
- 判断していいのか分からない
- 判断を間違えると在留に影響しそうで怖い
- 労務の話は会社の方針が必要
- 業務内容の悩みは感情が絡み、整理が難しい
つまり現場は、
“判断”と“対応”を同時に抱えて動けなくなる
のです。
現場が悪いのではなく、
現場だけで対応できるようには設計されていない
ということです。
■ 3. 「相談内容はそのまま共有すればいい」という誤解
企業はよくこう言います。
- 「相談内容をそのまま教えてください」
- 「本人の言ったことを全部共有してほしい」
しかし外国人社員の相談は、
事実・感情・推測・不安
が混ざり合っています。
例:
「仕事が変わって不安 → 在留資格に影響しないか心配 → 残業も増えてつらい」
これをそのまま共有すると、企業側は次のように混乱します。
- どこから手をつければいいか分からない
- 何が事実で、何が感情なのか判断できない
- どの部署が対応すべきか分からない
つまり、
“整理されていない相談”は、企業の対応を遅らせる
のです。
必要なのは、
一次で相談内容を整理し、企業が動きやすい形に整える役割
です。
■ 3つの誤解が重なると何が起きるか
- 相談が来ないので安心してしまう
- 現場に負担が集中し、対応が止まる
- 企業は“整理されていない情報”を受け取り混乱する
- 外国人社員は「言っても変わらない」と感じる
- 結果として、離職の芽が育つ
つまり、
誤解が誤解を呼び、離職リスクが高まる構造
が生まれます。
当事務所では、
事実整理と方向性の提示に特化した、外部の専門家としての「外国人相談窓口」
を提供しています。
判断はせず、企業が動きやすくなるための
「最初の一歩」
を整えることに徹しています。
■ 次回予告
第8回では、
「外国人社員の相談対応を“仕組み化”するためのステップ」
をテーマに、実務で使える仕組みづくりを整理します。

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