特定技能2号の対象分野が拡大
特定技能2号の対象分野が拡大
── 熟練人材の受け入れに向けた制度理解と実務対応【2025年版】
はじめに
2025年現在、特定技能2号の対象分野は大きく拡大され、建設・造船に限られていた制度が、農業・宿泊・外食業などにも広がっています。
これにより、特定技能1号からステップアップする外国人材の選択肢が増え、企業側にも長期雇用・家族帯同などのメリットが生まれています。
本記事では、制度改正の背景、対象分野、申請要件、企業が押さえるべき実務対応までを詳しく解説します。
制度改正の背景
特定技能制度は2019年に創設され、人手不足が深刻な分野において外国人材の受け入れを可能にする制度です。
当初、特定技能2号は建設・造船分野に限定されていましたが、2023年の閣議決定と2025年の省令改正により、特定技能1号の12分野のうち介護を除く11分野すべてが2号の対象となりました。
対象分野(2025年現在)
- 建設
- 造船・舶用工業
- 農業
- 宿泊
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車整備
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- 航空
- 漁業
- ビルクリーニング
※介護分野は「在留資格:介護」が別途存在するため対象外
特定技能1号との違い
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 最大5年 | 無期限(更新可) |
| 家族帯同 | 不可 | 可能(条件あり) |
| 支援義務 | あり | なし |
| 技能水準 | 基礎レベル | 熟練レベル |
| 試験 | 分野別技能試験 | 熟練技能試験+実務経験 |
特定技能2号の技能水準とは?
「熟練技能」とは、長年の実務経験を通じて身につけた高度な技術を指します。
審査では、以下のような能力が求められます:
- 自らの判断で専門的業務を遂行できる
- 現場の監督者として業務を統括できる
- 分野別の熟練技能試験に合格している
- 実務経験が一定期間以上あること(例:2年以上)
なお、「2年以上の実務経験」は多くの分野で求められる傾向がありますが、これは一律の法定要件ではありません。
実際には、分野ごとに主管省庁や評価試験実施団体が定める告示・実施要領に基づいて要件が定められており、職長経験や管理的業務の有無など、より具体的な基準が設けられている場合もあります。
そのため、申請前には必ず、分野別の最新の告示・試験要領を確認することが重要です。
申請要件と企業の準備
申請には以下の要件を満たす必要があります:
- 特定技能1号での在留実績(※多くの分野で「2年以上の実務経験」が求められるが、分野ごとに要確認)
- 分野別の熟練技能試験に合格
- 雇用契約が制度基準を満たしている(報酬・業務内容・労働条件)
- 企業が分野別の受入基準を満たしている(例:建設業許可、宿泊施設基準など)
企業が準備すべき書類例:
- 雇用契約書(熟練業務であることを明記)
- 職務内容説明書(監督業務や専門性を記載)
- 就業規則・社内制度(家族帯同に対応した福利厚生)
- 試験合格証明書・実務経験証明書
実務対応のポイント
- OJT計画の整備: 熟練業務への配置転換に向けた育成計画を明文化し、本人の成長と制度要件を両立させる。
- 職務設計の見直し: 単純作業中心の業務から、判断・統括・技術指導を含む業務へ移行することで、制度趣旨に合致させる。
- 家族帯同への対応: 住宅手当・社宅制度・生活支援の整備により、長期定着を支援する。
- 分野別団体との連携: 試験情報や制度運用の変更点を定期的に確認し、申請ミスを防ぐ。
まとめ
特定技能2号は、外国人材の長期雇用と戦力化を進める上で重要な制度です。
2025年の分野拡大により、これまで対象外だった業種でも受け入れが可能となり、企業の選択肢が広がっています。
制度理解と実務対応をセットで進めることで、安定した雇用と制度活用が実現できます。
とくに分野別の告示・試験要領の確認は、申請の成否を左右する重要なステップです。
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