外国人雇用福岡

特定技能の自社支援と登録支援機関への委託の違い

特定技能の自社支援と登録支援機関の違い

── 選び方と実務負担の比較

はじめに

特定技能制度では、外国人材への支援業務を「自社で担う」か「登録支援機関に委託する」かを企業が選択できます。
どちらも制度上の義務を満たす必要がありますが、支援の質・運用の柔軟性・ノウハウの蓄積という観点では、選び方が将来的な人材戦略に直結します。
本記事では、制度的な違いと実務負担を整理しながら、企業が支援体制を選ぶ際の判断軸を提示します。

制度上の違いと役割分担

比較表①:制度上の位置づけ
項目 自社支援 登録支援機関
支援主体 受入企業自身 外部の登録支援機関(法務省登録)
支援計画の作成 企業が自ら作成・提出 企業が作成(支援機関は助言・実施)
支援計画の実施 企業が自ら実施 委託契約に基づき支援機関が実施
届出・記録 企業が直接管理・提出 支援機関が代行(企業は確認責任)
中立性要件 支援責任者・担当者は、外国人を監督する立場にない中立な者であることが法令上の要件(代表者・直属上司・役員の親族等は不可) 登録支援機関は、受入企業との親族・資本・指揮命令関係がある場合は登録不可(法令上の要件)

実務負担と運用の違い

比較表②:運用・コスト・柔軟性
観点 自社支援 登録支援機関
初期準備 社内体制・マニュアル整備が必要 委託契約・支援内容の確認
運用負担 面談・記録・生活支援を社内で実施 委託先が対応(企業は連携)
コスト 支援費ゼロ(ただし人件費・外注費あり) 月額1〜3万円/人が相場
柔軟性 制度変更や現場状況に即応可能 委託先の対応力に依存
ノウハウ蓄積 社内に蓄積され、再利用可能 外部依存。社内に残りにくい

支援体制の選び方──企業の成長フェーズに応じて

登録支援機関が適しているケース

  • 初めての受入で制度運用に不安がある
  • 社内リソースが限られている
  • 短期的な雇用やスポット対応が中心

自社支援が有効なケース

  • 外国人材の受入が継続的・複数名にわたる
  • 社内に語学・支援対応できる人材がいる
  • 支援品質を自社で管理したい
  • 制度変更に柔軟に対応したい
  • 支援ノウハウを社内資産として活用したい

制度上の留意点(自社支援を選ぶ場合)

自社支援を選択する場合は、制度上の要件を満たす必要があります。
具体的には、以下のような条件が求められます:

  • 過去2年以内に中長期在留者(技能実習・留学生など)の受入実績があること
  • 日本語対応・相談窓口・生活支援・行政手続き支援などを社内で適切に提供できる体制があること
  • 支援内容を記録・保存し、定期的に届出できる体制が整っていること
  • 支援計画を自社で作成・提出できること(外部専門家の助言は可)

まとめ

支援体制の選択は、単なる外注か内製かではなく、企業がどこまで制度運用を自社の力に変えていくかという視点が重要です。
登録支援機関の活用は制度導入の第一歩として有効ですが、制度理解・支援品質・ノウハウ蓄積を重視する企業ほど、自社支援の選択肢が現実的になります
特定技能制度が長期雇用・地域定着へと進化する中で、支援体制も「外部委託」から「社内設計」へと移行する企業が増えています。


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