今後の出入国在留管理行政の在り方について④(観光立国の実現に向けた取組)
2020年12月10日、第7次出入国管理政策懇談会報告書が法務大臣に提出されました。
出入国管理政策懇談会は、出入国在留管理行政について広く各界の有識者から意見を聴くための法務大臣の私的懇談会であり、平成2年11月の第1次政策懇談会の発足後、これまで7次にわたる政策懇談会が設けられてきました。
第7次政策懇談会においては、平成28年9月の第1回会合から令和2年12月の第24回会合までの間、各種テーマについて議論が行われました。
報告書では、大きく分けて以下の7つの項目で議論がされています。
〇外国人との共生のための取組
〇我が国への外国人材の円滑な受入れ
〇技能実習制度の適正化に向けた取組
〇観光立国の実現に向けた取組
〇安全・安心な社会の実現に向けた水際対策及び不法滞在者対策等の推進
〇難民の適正かつ迅速な保護の推進
〇出入国在留管理における新型コロナウイルス感染症への対策
今回は、「観光立国の実現に向けた取組」について概要を見ていきます。
(1)現状・背景
〇訪日外国人旅行者数は,令和元年に3,188万人と過去最高を記録。
〇現在は,新型コロナウイルス感染症の国内流入を防止するための厳格な水際対策が実施され,訪日外国人の入国は制限。
(2)検討事項等
〇東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手・関係者について迅速な出入国手続を実施するとともに,同大会を標的とするテロ行為を未然に防止する必要がある。
〇IT技術等を最大限活用した先進的で効率的な出入国在留管理体制の構築を推進していくべきである。
(「出入国在留管理庁ホームページ」参照)
日本では、これまで観光立国を推進してきました。
2010年の訪日外国人観光客数は約861万人であったのに対し、2019年の訪日外国人観光客数は約3,188万人となっています。
2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により、劇的に減少していますが、約10年での訪日外国人観光客数は3倍以上に増加しています。
年間の外国人観光客数が8,000万人以上となるフランスやスペインに比べると、まだまだ少ないようにも感じますが、以前に比べると大幅に増加しています。
一方で、観光立国をより一層推進していくための課題も多くあります。
外国人観光客が訪れる観光地が東京・大阪・京都などの三大観光都市に集中していること、東アジアからの外国人観光客が全体の大半を占めていることや出入国港での待ち時間の問題などが挙げられ、今後もそのような課題に取り組んでいく必要があります。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、IT技術を活用した顔認証ゲートの導入などを行うことで、より効率的で迅速な出入国管理が実現されています。
それと同時に、安全と安心を確保しつつ、観光立国を推進することが期待されます。
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